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執筆者の写真東京弓弦楽団

定演で何するの?其の一

更新日:2022年11月5日


羊子さんによるコラム

 「第4回定期演奏会に寄せて」をブログに連載します

まずは

羊子の・・・定演で何するの?其の一

12月18日の「第4回定期演奏会」が

〇倍楽しめること請け合いです!


 


    「第4回定期演奏会に寄せて」


定演で何するの?其の一


NHK大河ドラマは根強い人気がある。激動の時代、歴史の転換期に、何を目指し、何を守り、何を棄てるのか。それぞれの生死をかけた選択に心打たれる。コンビニで卵サンドとハムチーズサンドに迷う凡人の私でも、一瞬壮大なドラマに入り込む。

物語だけでなく、テーマ曲にはまる人も多いのではないか。私にもいくつか思い出のテーマ曲がある。タイトルを聞くだけで、頭の中で曲が鳴り出し、馬が翔る。

大河ドラマで最も時代設定が古いのは「風と雲と虹と」(昭和51年)で、「武士のおこりの象徴」といわれる承平・天慶の乱が描かれている。今年の鎌倉殿に至るまで大河ドラマの題材って基本武士なんだな、と思う。

中国にも同様に人気を誇る映像作品のジャンルに、武侠小説というものがある。日本では「武」は武士のものであり、支配階級のものだったが、中国武術は仏教や道教と結びつき、師弟関係を基本とした結社の中で培われた。武術は医術や禅と同じように修行の項目であり、陰陽五行などの東洋の考え方と結びついた。武術家は、僧侶であったり、道士であったり、医師であったりしたのだ。少林寺と少林寺拳法もその一つだ。「侠」の字を見ると、ついつい昭和の時代の任侠映画をイメージしてしまうが、これは「信義にあつく、強きをくじき弱きを助ける人」という意味、つまり義侠心の侠だ。

武侠作品の魅力は、アクションの迫力もさることながら、登場人物の強さと優しさ、潔さ、強さを以って信念を貫く姿だ。彼らはお茶の間のヒーロー、子供たちの憧れ、民族のほこり、人生の師、なのだ。そして人間的な魅力を放つ敵役もまた重要な存在だ。武術を以て権勢を目指す者、心の隙間を埋めようとする者、アイデンティティーに悩む者、恨みにとらわれたもの、プライドが高すぎて人とコミュニケーションが取れない者、徹底した武術オタクなどなど、実は身近にいるおじさん、おばさん(えっ?私)のデフォルメなのだ。「武行天下 仁者無敵」。物語は、自分らしく生きていこうと思うなら、体を鍛え強さを身に付けよ、ただし根本にあるのは人への思いやりだよ、ということを教えてくれる。そして、そのテーマ曲もまた、大河ドラマのテーマ曲のように多くの人々の記憶に残っている。 

東京弓弦楽団第四回定期演奏会では日本と中国の武侠作品の音楽をお届けする予定だ。

1982年に公開され、主演を務めた武術チャンピオン、ジェット・リーの脅威の身体能力に衝撃を受け、日本でも少林寺拳法ブームを起こったという映画「少林寺」の挿入歌をはじめ、

様々な強くて優しい英雄の物語にまつわる音楽を演奏する。

さて、日本代表は誰かな?

                              羊子



 

皆様のお越しを心よりお待ちしております!





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